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「進化しすぎた脳」 池谷裕二著 - 本の紹介 -


公開日:2008年10月19日( 最終更新日:2009年3月22日 ) [ 書評 ]
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脳に興味がある全ての人にオススメの一冊です。

脳科学者が高校生に語る

この本の著者は、東京大学で
脳の研究を行っている池谷裕二さん。

この池谷さんが、ニューヨークの高校生を相手に、
脳科学の講義をまとめたものがこの本です。
(もちろん、日本語で書かれています。)

高校生が対象というだけあって、
難しい研究結果がわかりやすくまとめてあって、
楽に読み進めることができました。

(細胞の解説の部分は、高校化学の知識が無いと
少しつらいかもしれませんが(教科書レベルで十分です)、
大部分は誰でも気楽に読めると思います。)


驚きの研究結果が満載

高校生が対象だからといって、
決して教科書的なつまらない内容ではありません。

本当に驚くような研究の成果が豊富に紹介されています。

私がこの本を初めて読んでから、既に2・3年経っていると思いますが、
今でも印象に残っている研究結果が数多くあります。

例えばどんなことが書かれていたのかというと、

  • 「ラジコンネズミ」をつくることができる

  • 生きている本物のネズミの脳に電極を取り付け、リモコンを使って、
    そのネズミをラジコンのように操作することができるそうです。

    その、あまりにシンプルな仕組みに驚いてしまいました。
    (この技術を応用してラジコン人間などがつくられないことを祈ります。)


  • 人間の記憶力は鳥にかなわない

  • 人間の脳は、ものごとをゆっくりと学習するようにできているそうです。
    そのため、素早く正確に暗記する能力では、
    人間は鳥に負けてしまうそうです。

    そして、それこそが人間の優れた知能の源だと言うのです。


  • 体が脳をコントロールする!?

  • 普通、脳が体を一方的にコントロールしていると考えがちですが、
    体の構造が変わると脳も変わるというように、脳と体が
    それぞれ相互作用を与え合っているそうです。

    例えば、人間の体にコウモリのような
    超音波を使う器官を取り付けることができれば、
    脳もそれにあわせて変化する可能性があるということです。

このような驚きの内容が満載でした。

特に、ラジコンネズミの研究には衝撃を受けました。
おそらく原理的には、この方法を応用すれば、
ラジコン人間をつくることも可能でしょう。

どんな技術についても言えることですが、強力な技術を持つ人は
それに応じた倫理観を持つ必要があると強く感じました。



脳科学に興味があるなら、一読の価値あり

もちろん、ここで紹介した内容は、私にとって印象的だったもので、
全体のほんの一部です。

脳科学に興味がある方には、一読の価値があると思います。


[詳細情報]

[詳細情報]
私が読んだのは単行本(左)ですが、値段の安い新書(右)でも発売されているようです。

<こんな人にオススメです>
  • 脳科学に興味がある
  • 脳科学の観点では、意識・記憶・こころといったものが、どのように考えられているのか知りたい




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