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自立とは何か?【自立を考えるシリーズ1】


公開日:2009年3月15日( 最終更新日:2018年7月17日 ) [ 記事 ]
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この記事は、公開から10年近い月日が経過しています。

今でも色あせない内容の記事ではありますが、「自立」についての、より新しい内容を別サイトで公開していますので、この記事とあわせてお読みください。

自立とは何か?―10年間熟成させた“自立”の意味




「あなたは自立していますか?」

もしこんな質問をされたら、あなたならどう答えるでしょうか?
すこし考えてみてください。

答えは出ましたか?それとも悩んでしまいましたか?もし答えが出なかったとしても、全く問題はありません。気にしないでください。

あなたはどんなことを考えましたか?

また、もし答えが出たとしたら、その答えはどんなものでしたか?頭の片隅に記憶しておいてください。



あなたの考えは、根本から覆ってしまうかもしれません

今回、「自立を考えるシリーズ」の第一作目としてこの記事を書いていますが、このシリーズを読んでいくうちに、今考えたあなたの「自立」に対する考えは、根本から覆ってしまうかもしれません。

根本から覆るというのは大げさにしても、新しい理解に達するためのきっかけとしては十分役に立つと確信しています。

この「自立を考えるシリーズ」では、あなたが自立について考え、より深いレベルの理解に達し、その新しい理解の実践に向けての第一歩を踏み出してもらうきっかけを提供することを目的として書かれています。


なぜこのようなテーマについて書こうと思ったのかについて説明しましょう。

「自立」ということは幸せな人生を送ることが出来るかどうかに非常に大きな影響力を持っていると思います。(現時点ではピンとこなくても、このシリーズを読むうちに腑に落ちるのではないかと思います。)

しかし世間では、「自立は大切だ!」、「自立できるように努力しなさい!」というようなことは言われても、この大切な「自立」ということ自体を考えることは少ないように感じます。

そこで、自立について深い理解に達し、それを実践に移すためのきっかけになるれば良いなと思い、この「自立を考えるシリーズ」を書くことにしました。


是非、「自立を考えるシリーズ」を有効活用してください。

「自立を考えるシリーズ」を読み終わった後に、もう一度、最初の質問に答えてみてください。今考えた答えとは全く違う答えが得られるかもしれません。


ただし、「この記事から答えを探そう。」という姿勢で読むのは避けてください。自分で考えることを放棄して、他者から答えを得ようという姿勢は、依存以外の何者でもありません。この記事は、あくまでもひとつの意見として読み、自分の頭で考えることを大切にしてください。


自立とは何か?

では早速、「自立とは何か?」ということを考えていきましょう。

漠然と「自立」というと、抽象的過ぎて考えづらいので、例として経済的自立について考えてみたいと思います。(この場合の「経済的」という言葉は、収入を得るという意味で用います。)


一般的に経済的に自立するといえば、

親のお金に頼らなくても、自分で収入を得て生活が出来るようになること

というような意味で使われることが多いと思います。

一見すると当たり前のはなしで、その通りに見えますが、本当でしょうか?もう少し深く考えてみましょう。


例えば、自分の収入で生活しているものの、

「俺はこんな有名な大企業に就職したんだ!あとは会社の言うとおりにしていれば、何かあっても会社がどうにかしてくれるだろう。」

こんなことばかり言っている人が居たとします。
(今時、こんな人がどれだけ居るかはわかりませんが)

彼は経済的に会社に頼りきりです。彼は自分の収入に対して影響力を与えることは出来ません。収入を変えようと努力したとしても、それは「会社が敷いてくれたレール」の上を進むだけでしょう。彼の収入についての決定は、会社の意図次第で決まってしまうのです。

この状態を経済的に自立していると呼ぶのは無理があるでしょう。彼は依存する対象を、親から会社に変えたに過ぎないのです。

ということは、自分の収入で生活していても、必ずしも自立しているとは言えないことがわかります。つまり、経済的な自立とは「親のお金に頼らなくても、自分で収入を得て生活が出来るようになること」という説明では不十分だと言えます。



辞書の定義ではどうか?

では、辞書の意味ではどうでしょうか?

辞書で自立という言葉を調べると、

他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。

Yahoo!辞書(大辞泉 提供:JapanKnowledge)より

とあります。

つまり辞書的な意味では、

「経済的自立とは、「他への従属から離れて独り立ち」して、「他からの支配や助力を受けずに」収入を得ることが出来る状態」

と言えると思います。

これは経済的自立の定義として適切でしょうか?


一見すると正しい定義のように思えますが、私には、「絵に書いた餅」「机上の空論」のように感じられます。というのも、「他への従属から離れて独り立ち」して収入を得ること、「他からの支配や助力を受けずに」収入を得ることなど不可能だと思うからです。


例えば、サラリーマンの人であれば、自分の労働の対価として会社から給料を貰うわけですから、自力で収入を得ているように見えます。

表面的にはそう見えますが、本当にそうなのでしょうか?

会社組織であれば、社長、役員に始まり、パート・アルバイトまでが協力して収入を得ています。職種的に見ても、トップマネジメント、営業、技術、経理などなどから、掃除に来てくれる業者の人までが協力することによってはじめて仕事が成り立っています。

それは、自営業だろうが、職人だろうが、作家だろうが同じことです。どんな人であっても、他者との助け合いながら収入を得ているはずです。

もし、「誰からの助けも受けずに、自力のみで収入を得ることが出来る」などという人が居たとしたら、それは思い上がりと言わざるを得ません。

このようなことから考えれば、辞書に書かれている意味で経済的に自立している人など存在しないということになってしまいます。一方で現実を見れば、私たちが「あの人は経済的に自立してるな~。」と思う人は確かに存在します。

つまり、辞書の定義はあまり現実に即していないと言えそうです。



「内的自立」と「外的自立」

辞書の定義でも上手く説明できないとなると、いったいどのように自立を考えればいいのでしょうか?

私は、自立と言う言葉を「特定の他者に頼りきりになることなく、自分で人生を切り開く能力を持つこと」というよな捉え方をしています。

ただ、この説明では曖昧過ぎるので、ここでは自立を2つの側面に分けて、もう少し深く考えてみたいと思います。

その2つの側面のことを、ここでは「内的自立」と「外的自立」と呼ぶことにしましょう。

この二つの言葉は、次のような意味を表します。

内的自立: 自己責任の意識を持ったうえで、自分の意志に従って行動や判断などを決定することができること
外的自立: 現実的な選択肢を複数持っていること

また、このような状態で以外を、「内的依存」、「外的依存」と呼ぶことにしましょう。

ただし、あまり言葉には囚われずに、イメージを理解していただければ良いと思います。


「内的自立」、「外的自立」で上手く説明できる

上で、例として自分の収入で生活していても、会社に頼りきってしまっている人を考えました。彼は会社に頼りきって、自分で判断することを放棄し、自分の経済状態に対する責任を投げ出してしまいました。

「会社の言うとおりにしていれば、何かあっても会社がどうにかしてくれるだろう。」

という言葉がそれを象徴しています。

彼は「収入得る」ということに関して、内的に自立できていなかったのです。


逆に、内的に自立している態度というのはどのような態度でしょうか?

それは、

確かに、有名な大手企業に勤めてはいるけれど、最終的に自分の生活に責任を持つのは自分しか居ないんだから、何事も自分でしっかり決めていこう。

というような態度でしょう。


自分の意志・責任で行動や判断を決定できることが内的自立でしたが、「複数の選択肢を持っているかどうか?」という状態が外的自立です。

「収入を得る」ということに関して外的に自立しているとは、例えば、ひとつの会社からの給料以外にも収入を得るための現実的な選択肢を持っているというような状態です。

それは、会社以外からの副収入を持っているということかもしれませんし、すぐに次の働き口が見つかるだけの能力を持っているということかもしれません。どちらにしても、会社からの収入を失ってしまっても、現実的な他の選択肢が存在しています。これが収入を得るということに関して、外的に自立している状態です。

逆に、今は収入があったとしても、今の仕事を失ってしまったら、他に収入を得るための選択肢を持っていないという状態であれば、それは会社に対して外的依存状態にあると言えます。


まとめると、経済的(収入を得ること)に自立している状態とは、

内的自立: 収入を得るということについての行動や判断などを、自分の意志に従って、自己責任で決定することができること
外的自立: 収入を得るための現実的な選択肢を複数持っていること

ということになります。


このような状態の人であれば、「経済的に自立している」と言ってもよいと思います。

この説明であれば、辞書の説明のように現実離れした説明になる心配もありません。

辞書のように、「他者からの助けを受けずに、~」とするよりも、「特定の他者(会社)に頼りきりにならずに、~」としたほうが現実的に思われます。

そして実際に、「他者からの助けを受けずに、収入を得ることが出来る人」など存在しませんが、「ひとつの収入を失ってしまっても、他に収入を得るための現実的な選択肢を持っている人」は間違いなく存在しています。


このような理由から、「一般的に使われる自立の意味」や「辞書での説明」に比べて、「内的自立」、「外的自立」という考え方は、経済的自立という状態をより上手く説明できると考えています。

また、今回は経済的な自立を例に考えてきましたが、「内的自立」、「外的自立」という考え方は、多くの場合で有効だと考えています。


まとめ&次回予告

では最後に、今回の内容をまとめましょう。

この「自立を考えるシリーズ」の目的は、

「あなたが自立について考え、より深いレベルの理解に達し、その新しい理解の実践に向けての第一歩を踏み出してもらうきっかけを提供すること」

です。

このシリーズの1作目である今回の記事では、まず根本として「自立とは、一体何なのか?」ということについて考えました。

その結果、

内的自立: 自己責任の意識を持ったうえで、自分の意志に従って行動や判断などを決定することができること
外的自立: 現実的な選択肢を複数持っていること

というように、自立を2つに分けて考えることによって、より的確に自立について考えることができるのではないかという結論に至りました。

次回からは、「内的自立」、「外的自立」という状態について、もう少し詳しく説明していきたいと思います。

次回の記事:内的自立とは?【自立を考えるシリーズ2】


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